東京に本社を置き、「大戸屋ごはん処」をはじめとする飲食店でフランチャイズ店を含めて国内で350店舗以上、海外で100店舗以上を展開する株式会社大戸屋ホールディングス。タイやニューヨークなど場所ごとに店の雰囲気が違う大戸屋だが、果たしてベトナムではどうなのか。今回は2015年に出店したホーチミン1区にある大戸屋ブランドのフランチャイズ店に潜入し、大戸屋のベトナムでの今後の可能性を調査してきた。
大戸屋はMESA PLAZAというビルの2階に店を構えており、入店する際は1階の雑貨屋を通り抜けてエレベーターに乗る。エレベーターで2階に上がると大戸屋と壁に記されたエントランスがあり中に進むと、日本の明るい内装で家庭的な大戸屋の内装とは違い、明るさを控えた落ち着いた雰囲気が広がっていた。カウンター席の前には料理人が立つオープンキッチン(写真上)があり、その奥には『いいちこ』などの日本のお酒が棚に並べられていた(写真下)。店の手前側と奥には個室の座敷席がある。店員はベトナム人のみ。入店時間は19時前でこれから夕食という時間だ。この時点では客は日本人男性が一人。
海外最多店舗数を保持するタイでは日本と同じ様に、明るい雰囲気の内装、ニューヨーク店では、ベトナムと同じ様に明るさを抑えた高級感のある内装のイメージだ。
メニューは【チキンかあさん煮定食】180,000vnd(約900円)や【四元豚ロースかつ重】300,000vnd(約1,500円)など、日本と変わらない価格メニューもあれば、本マグロとブリを築地から直送している【刺身7点盛り】800,000vnd(約4,000円)など、日本人の我々にはビックリするメニューもあった。今回はチキンかあさん煮定食と四元豚ロースかつ重をオーダー。日本の大戸屋ではそれぞれ税込みチキンかあさん煮定食870円、四元豚ロースかつ重990円で提供されているため、ベトナムの大戸屋の提供価格はやや高いくらい。また、お酒好きには嬉しい獺祭の取り扱いもしている。値段は『獺祭 磨き三割九分 720ml』が2,500,000VND(約12,500円)と、日本の同種3,780円と比較すると、ずいぶん高価な値段で販売されている。ベトナム人をターゲットにしているのであれば内装や料理の価格から、大戸屋はベトナムでは高級店路線で勝負しようとしているのが分かる。
注文する際に感じたのは、大戸屋の教育制度の良さだ。恐らく注文を取りに来たのは新人スタッフだったのだろう。横に先輩スタッフと思われる男性が付きっきりで新人スタッフに指導しており、新人スタッフが困った様子を見せるとすぐにフォローを入れていた。
料理を待つ間にお手洗いにも行ってみたが、内装もきれいでとても清潔感がある。
15分ほどすると、料理が運ばれてきた。チキンかあさん煮定食(写真下)はたっぷりのつゆに浸されたとんかつの上に大根おろしを乗せたさっぱりとした味わい。
四元豚ロースカツ重(写真下)はロースカツの下に敷き詰められたご飯でボリューム満点である。肉は少し硬めだった。どちらの料理もお新香などのサブメニューも日本のメニューそのままだ。
19時半頃、スーツを着た日本人男性やベトナム人男性たちが来店しはじめた。立地的に仕事終わりのサラリーマンなど来やすいところなのだろう。また、個室の座敷もあるため、接待としても利用もできそうだ。値段は日本と比べて少々高めであるが、日本と変わらぬ味が再現できている意味では、ベトナム人の友人にオススメしたいお店である。しかし、潜入時の客数や評判を鑑みると、日本人でも高いと思える価格設定である以上、その付加価値をどうつけるか、もしくはタイでの成功を見本に徹底的にローカライズしていく必要性を感じた。なんと言っても日本を代表する定食業態、今後の発展に期待したい。
shop information
屋号 | 大戸屋 |
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電話番号 | 028-6299-0908 |
住所 | MESA PLAZA 2F 82 Nguyen Du St., Ben Nghe Ward, Dist.1, HCM |
営業時間 | 11:00~23:00 |
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2019/05/07)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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