ベトナム・ホーチミンはレタントン通りの日本人街、ヘムの中で中華1本で勝負をする中華ダイニング洋(なだ)。路面店と比較すると集客面では難しい2階に位置するが、広告媒体は一切行っていないという。1号店の時津洋(ときつなだ)はちゃんこを提供しているが、2号店を日本人街で中華を始めたキッカケは?更に媒体から手を引く真相とは!?
岡村さんの経歴を教えて下さい
20歳の時に東京にある食品メーカーの工場に入社し、餃子や焼売の皮などを製造しておりました、そして2010年、僕が43歳のときに、オーナーからその工場を引き継いで独立しました。そこで5年ほど経営をしておりましたが、なかなか軌道にのらず、やむをえずたんだんです。48歳の時、とんこつラーメンで有名な「田中商店」グループの餃子店で店長として4年間勤めました。その後に会社がお店を売却することになり、転職先を探すことになりました。
今のオーナーが実は高校の同級生なんですが、以前から「ホーチミンに出店を検討している。マネージャーをやらないか」と声をかけてもらっていまして。ただ最初は「ベトナム?!ちょっと・・」と思って断ったんです。そのときのお店が今繁盛しているレタントンにある時津洋です。その後も飲みにいくことがあって、ある日「ホーチミンで中華料理店をやろう!」と声をかけてもらいました。ちょうど転職先を探していたタイミングということもあり、ベトナムに来ることに決めたんです。
岡村さんがベトナムに来ることに不安はありましたか?
そうですね。オーナーからベトナムのことを色々と聞いていましたし、出店場所もレタントンのヘムで日本人街ということで、そこまで不安はなかったです。オーナーは英語ができないのですが、生活するには全く問題ないと言ってましたので大丈夫かなと、、、もちろん外国で働くことはチャレンジになりますが、自分の転職活動とタイミングもよかったこともあり、決断できましたね。
時津洋に続き、中華ダイニング洋さんもヘムに出店した理由とは
時津洋とココの大家さんが同じで、オーナーと大家さんが友達のように仲がいいんですよね。そういった繋がりもあり、空き物件の情報がすぐに入ってきて、トントン拍子で出店が決まりましたね。
日系のお店は和食が多いと思いますが、業種を「中華」にしたのはなぜ?
一番は「競合が少ない」ということでしょうか。日本人ターゲットの和食店はたくさんありますが、中華を売りにしたお店は数えるほどしかなかったんです。もちろん私は中華畑の経験が豊富ですので、私が得意なことも、オーナーは考えてくれたと思います。
集客状況はいかがですか?
徐々に口コミが浸透して昼夜共に1回転するようになりましたが、まだ目標の数値には到達しておりません。 お店が空中階にありますので、路面店に比べて集客力が弱かったり、店内の様子が見れないので、ふらっとお客さんが入ってこないです。紹介と口コミがメインになりますので、しっかり美味しい料理を提供し続けるしかないですよね。
集客するために、広告はお考えですか?
広告は一切考えてないです。広告もそうですが、変わり種系、インスタ映えのような商品を出すことも考えていません。オーナーは今後の店舗展開を検討していますので、変わったことをして目先の集客をするのではなく、「味」「王道の中華」で勝負してください、と言われています。店舗展開するときに売りが「変わり種系の料理」ですと、スタッフへの教育が難しく、また常に新しい料理を考えて提供していかないといけないので、多店舗化には向かないんですよね。
ベトナム人スタッフへの料理指導
元々料理の経験もあるスタッフでしたので、教えることはそんなに難しくなかったですね。日本人と比較した場合、「プライドが高い」とは思いますが、だからと言って指導を大きく変えることはないです。長く働いてもらわないと一人前の料理人になれませんので、伝え方は工夫しています。まあ、私は優しいほうだと思いますので(笑)
ベトナム人スタッフの面接、面談のポイント
私は現場のマネジメントを任せられていますが、給与などの数字面はベトナム人オーナーに任せております。面接は行いますがシンプルですよ。仕事内容の説明と、できるかどうかの確認しますが、一番見ているのは「笑顔」ですね。お客様と接する仕事ですので、最低限「笑顔」ができるかは見極めます。
▲ランチメニュー 酢豚セット 140,000vnd(約700円)
日本から仕入れてる食材はありますか?
基本的にはベトナムで全て揃えることができると思いますが、有機食品さんの豆板醤は日本から持ってきています。ベトナムには多くの華僑が進出していて、中国人街の市場を探せばだいたいの食材を見つけることができると思います。基本的にはベトナムと日本の食材の違いはあまりないと思います。
中華ダイニング洋さんの平均客単価
ランチは800円、ディナーは2000円弱くらいでしょうか。ディナーの使い方としては、お一人様や少人数での飲み会が多いです。お一人様ならビール・餃子・ラーメン・炒飯。2~3名様ならばお酒に料理3・4品くらい頼んで最後に〆のような注文が多いですね。単価のアップは今後の課題の一つではあります。
オススメ、人気のメニュー!
青椒肉絲と麻婆豆腐、回鍋肉、餃子、です。餃子はこれまでの自分の経験を生かして皮から作ってます。本物の餃子はお客様からの人気が高いので、ぜひ味わっていただきたいですね。レタントンにはラーメン専門店が多いので、中華料理人ならではの料理をプッシュすることで、他のお店との差別化をはかっていきたいと思っています。
▲皮から手作り作る餃子は80,000vnd(約400円)
今後の展開について教えてください。
今すぐの話ではないですが、この王道の中華で店舗展開していきたいです。今のお店は清潔感あるきれいな内装ですが、本当はもう少しレトロな昭和の雰囲気を出したい要望がありまして・・・。当時はやり直してゼロから始め直すことが出来なかったので、次は味ある雰囲気のお店を出したいです!
あとがき
なぜヘムの中で中華なんだろう、という疑問を冒頭で解決してくれた岡村さん。筆者もランチを利用した所、コンスタントに入るお客様には1名で来る方もいれば、4名グループで来る方まで、シチュエーションは様々だった。厚みのある餃子は皮から作ってるというこだわり様は他店にないのではないだろうか。王道の中華を堪能されたい方は、ぜひレタントン通りヘムの2階、中華ダイニング洋まで!
店舗情報
【中華ダイニング洋】
住所:8A/2B1 Thai Van Lung St, BenNghe Ward, Dst 1 HCM
電話:0327438345
営業時間:
ランチ 11:00-14:00
ディナー 17:00-0:00
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2020/03/16)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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