ベトナム国内でデザインから施工まで一貫して管理しているVIETNAM TOTAL DESIGN & CONSTRUCTION (以下TDC)は2012年に設立。取引先は8割が日系の工場関係、2割がオフィスや飲食店、そして自社で飲食店を構える実績もある。今回は代表の原田卓也氏(写真左から2番目)とセールスマネージャーの藤井衣里子氏(写真右から2番目)更にコンサルティング代表の東井奨吾氏(画面右)に話を伺った。
ベトナム進出のきっかけは?
原田氏(以下:原田)
初めてベトナムにきたのは13年前、最初は出張、その後駐在員になり、チャンスがあったのはちょうど8年前くらい前。当時、ベトナムがそこまで注目されてないときに、第二の中国になる可能性を ベトナムに感じました。当時個人でやっている会社がなく、進出したいお客様や、既存のお客さんからの後押しもあって、ビジネスを始めました。
初期人数は何人で立ち上げたんですか?
原田)
1人で、机一つから始めました。もともと日本ではゼネコンで勤めていたのですが、30歳を節目に実はコンサルなど何か違うことをしようと考えていました。でも長年やっていた建設関係が、自分でより幅広く出来るなって思って、メンテナンスとか小さいものから始めていました。徐々に仕事量も増えベトナム人従業員を雇いましたね。
他社との違いは
原田)
日系大手ゼネコンもベトナムに進出しているのですが、サブコンを使用しながら行っている会社が多いんです。TDCでは、下請けの業者を使わず内製化しています。2013年に設計事務所を買収し、内製で行うことによって、通常かかるコストを抑えるようになりました。
どのように競合と差別化しているんですか?
原田)
TDCも最初はゼネコンで勤めてたサブコンにお願いしていたのですが、やっぱりそれだと競争には勝てないんですよ。日本じゃ大手ゼネコンさんと入札して、更に受注するなんて難しいですが、ベトナムでは地場でやっている企業の方が地元業者や各種方面との関係が強くなっていくので、競争にもついていけてるんです。あとは金額。TDCは内製化しているのでローカル+αの金額で、日系他者様の3割ほど安いかと思います。
TDCが運営するレストランについて教えてください
原田)
去年2018年12月に、クイニョン(ベトナム中部:Quy Nhon)にレストランの運営を始めました。きっかけはクイニョンに工場が2つあって、自分が週に1回くらい行っていたので「食べる所作っちゃおう!」となりまして。実際、日本人の駐在員も10名ほどいて、皆が集まれる様なレストランにしようと思ったんです。なので規模も小さめにしようかなって思ってたんですけど、いわゆる“なんちゃって日本食”ばっかりだったので、しっかりしたもの作りたかったんですよね。
▲TDCが手掛ける直営店「昇」 貼り付け元:https://vntdc.com.vn/ja/
今じゃ客層も9割が現地のベトナム人、1割が駐在の日本人です。ホーチミンは規模の大小関わらず日系飲食店が山のようにありますし、その分競争も多いですよね。そんな意味でもクイニョンの出店は良かったと思います。
貼り付け元:https://vntdc.com.vn/ja/
注文してからお店が完成するまでの一連の流れを教えてください
原田)
先ずはどんなコンセプトで何を目的としているかのヒアリングです。その後は規模によっても変わりますが物件探し。そこがある程度決まってきたら内装の話となります。
東井氏(以下:東井)
僕も工場を立ち上げたりしたことがあるんですが、予算をこの位、って計算しても思っていた以上になったりするんですよ。日本は資材とか安く簡単に手に入るんで、そういう違いもありますね。
原田)
内装とか下手したら日本より高かったりします。でも、良いもの作るなら、良いものを日本から輸入したいじゃないですか?その他にもやることが沢山あって、食材の輸入や業者回り、人材確保など。物件を確保して、工事をしている最中にそれらの事をしていく方がスムーズです。ただ、何といっても大変なのは人材かもしれません。
具体的には?
原田)
日本語話せるスタッフにはその分給与も上がりますしね。最近はキッチンスタッフの給与も上がってるんです。ちょうど今ですけど、テト(ベトナム旧正月)前後の離職率は常に問題ですね。。。
人材確保のキーは?
東井)
代表次第だと思います。代表がどれだけ一緒になって頑張るかが大切になってくるかと思います。人任せにしたらダメですよね。
期間はどの位かかりますか?
原田)
もちろんレストランの規模やコンセプトによってですが、例えばヘム(路地裏)の中にある物件とかは、内装工事で2か月くらいですかね。その前に物件探しで1か月くらいかかるかもしれません。
東井)
物件に関しては、1年くらい待ってる人もいます。多くの日系企業さんは上司の許可を得て契約すると思うんですけど、その間に他で決まっちゃったりしますから。
原田)
代表のスピーディーさによってココはかなり変わりますね。
ローカルスタッフとのコミュニケーションの取り方は?
原田)
日本人スタッフ6人と、内勤・エンジニア合わせてローカルスタッフが約40人いるんですが、社員で日本語喋れるローカルスタッフはいないんです。みんな英語とベトナム語でやり取りしてます。通訳介しても、本当に訳してるか分からないし、英語だとダイレクトですよね。それでも伝わらなかったりしたら、絵描いたりして工夫します。片言だとしても、お互い分かろうとしていれば伝わりますからね。あとは定期的にエンジニア達とバーベキューしたりして交流も取ってます。もし日本語でコミュニケーション取るとしても、大事なのは「伝えた」かではなく「伝わったか」だと思います。
▲TDC社内の様子
ベトナム人の性格
原田)
東南アジア特有のマイペースさはあります。言い訳も山のようにしてきますし。。。けど、お客様がいますからね、そこはピシッとケツを叩きます(笑)
建築現場行って熱中症になるのって日本だけだと思うんです。こっちの人は死ぬ思いしてまで仕事しないですよ。みんな自分自身で体調管理して、各自休んだりしますね。ベトナムにいる以上、日本の文化を強制する事なんてできないですよね。
最近のベトナム飲食店の傾向
原田)
正直、上手くいってない所ってベトナムに来もせずに誰かに任せて、物件からなにまで進めてたりするんです。足下を見る仲介業の方も増えているようなので、不当な違約金を取られたり、家賃や工事費が相場より2倍だったりとか、、、本当に信用できるコンサルさんじゃないんだったらしっかり自分の足でベトナムに来て、人脈を広げながらでないとなかなか上手くいかないです。煌びやかに見えるかもしれませんが、大手も進出してきてますし、常に考えながらでないと難しいとは思います。逆に 第二、第三の街に出店するほうが競争率は良いかもしれません。
今後ベトナム進出を考える飲食店に一言!
原田)
「何をする」かを明確にするのが大切です。1から新しい場所で商売をするということは決して楽ではないと思います。その中で 日本から見たベトナムで想像するのではなく、1週間でも1か月でも、実際に来て感じてもらう事が必要です!我々は工場建築がメインですので、飲食店はそのときの状況によって仕事を受けれるときと受けれないときがありますが、ご相談にはのりますのでお気軽にご相談ください。東井はコンサルとしてやっているので、ご相談いただければ協力できることがあると思います。
【企業データ】
VIETNAM TOTAL DESIGN & CONSTRUCTION CO., LTD
住所 Room 206-208, City View Building, 12 Mac Dinh Chi Street, Dakao Ward, District 1, Ho Chi Minh City.
電話 +84 (0)28 3521 0345
+84 (0)28 3521 0346
+84(0)777815619 日本人直通
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2020/02/19)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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