【Black Shadow 】は半年前にベトナムで設立したコンサルタント企業。海外進出は進出後こそが真のスタート。企業の問題解決はもちろん、未然に防ぎ発生させないよう「影のように見守る」その様が、社名へとダイレクトに繋がっている。今回は設立者でもある田渕智氏に、海外進出を目指す際のコンサル業務からVISA、ライセンスの話まで細かく話を伺った。
田渕さんが海外に行き着いた経緯を教えて下さい
新卒で市役所に入り、最初の3年間は教育委員会、その後生活保護課で3年間勤めました。その課で毎年、ちょうど落ち着く1、2月の時期に1週間くらい有給取りながら「自分探しの旅」という名の短期留学してたんです。初年度がフィジーで2年目がセブ島、3年目の2013年はシンガポールでした。シンガポールに行くまで、「海外で働く=駐在員や起業者」だけだと思ってて、現地採用って選択肢があるの知らなったんですよね。また、現地の人材紹介関係の知り合いから6年同じ会社で勤めたって海外じゃ大きな武器だよ!って言われまして、その年の10月にはシンガポールで現地採用として半導体の専門商社に務めました。
ベトナムに来たきっかけは?
シンガポールではその後、ローカル企業に転職し、合計3年在住してました。これまでの人生をひっくり返すような、もっと役に立つキャリアないかなって、って考えたときに、シンガポールは人件費の高さから、めぼしい案件に転職する際にほぼ経験者しか優遇されないんです。この国では「居続ける」ことはできても、「自分の望む人生」は送れないと思って出ることを決めました。チャンスが沢山ありそうだったホーチミンに目をつけ、移住したのが2016年8月です。
パートナーとの出会い
ベトナムに来てから3年間、途中から某銀行で勤めていたんですが、その時に仲良くなったベトナム人の飲み仲間なんです。彼は日本留学経験もあり、日本の文化も知っていています。私のやりたいことに賛同してくれて、関して知識とコネクションもあったんです。日本語も英語も話せて、想像以上に優秀でとっても助かってます。
コンサル業の具体的なお仕事内容
大きく分けて4つあります。
1、進出の際のライセンス取得の代行やご相談
2、進出後の運営サポート(会計、総務、銀行送金、その他各種相談)
3、ビザ、ワークパーミット取得代行
4、会社の閉鎖サポート
これらの業務を現在は3人で行っています。もちろん新規のお客様も承りますが、少人数で行っていることもあるので、現在は昔からの知り合いのお客様から仕事を請け負って、関係性を造っている段階です。
競合他社との差別化は?
値段と人ですかね、比較的価格帯は安く設定してます。弊社より安い業者もあるかと思いますが、多少上乗せしても「田渕くんに任せるよ」って思ってくれる人との繋がりを大切にしたいんですよね。
金額のプラン
顧問契約などは2つプランがあります。
・月に2、3回程度の面談/関連業者の紹介
現地法人 400USD+VAT/月
駐在 300USD+VAT/月
・メール相談のみ
150USD+VAT/月
その他にも様々あるので、ご相談頂きたいです。
ワークパミット(VISA)の獲得に備えることはありますか?
一番一般的な『専門家』で取得する場合を想定すると、大学卒業者かどうかっていうのは大切になってきます。ですが、学歴の良し悪しはあまり関係なく、どちらかというと就こうとする職業に関連する学部を卒業しているか、ですね。例として法学部や経済学部、商学部などは比較的万能なので問題ないかと思いますが、文学部や外国語学部など卒業の方は、なぜその人材が必要で、そのためにこの学部を卒業した、というようなストーリー作りが必要なんです。飲食関連でいうと、生粋の料理人さんとかは技術者として取得するのがいいですね。調理師免許などではなく、日本人でいうと寿司職人がわかりやすいかと思います。『ベトナム人が出来ない仕事を出来る』というポイントが大事です。
もっと正確に言うと、同じ職種に3年間勤めた経験の証明とかもあれば勿論いいんですが、人材サイトに「未経験可」みたいな表示があるってことは、それだけストーリーを作って、しっかりとした書類の作り込みをしているんだと思います。ここは各社企業秘密なので語れませんが(笑)
弊社はワークパーミット取得に1000USDからで提供しておりますが、その方の職歴などによって必要書類の量が変わったり、作り込みに時間がかかったりするので、費用は変わってきます。
飲食店に必要なライセンス
基本中の基本は「レストランライセンス」です。追加として食べ物、飲み物を提供するライセンスです。会社のライセンス取得後、衛生や広告、消防や建物の改修、そして環境保護などのサブライセンスも必要となります。公安が見回りに来たとき、しっかりと対応できるのがベストですね。それらを取るタイミングとしては物件を決めてからです。これがないと日本でいう「営業許可」がない状態なので、物件を決めたあとに申請を行う順番となります。
実はここにも落とし穴があって、決めた物件が法人登記できない物件だったりすることもあるので、注意が必要です。本当に信用できるローカルの不動産に頼む以外で安全なのは、多少お金がかかろうが他の日系のお店の居抜きや日系の不動産に頼むのが安心ですね。
ライセンス取得の費用や期間はどのくらい?
ベトナム人名義か、外資かで変わってきます。外資で飲食関係のレストランライセンスを取る際、弊社は3,200USD+VATからでのご案内です。サブライセンスは別途の料金で、ここはお店の規模や従業員の数で変わってまいります。期間はおおよそ3ヶ月程度ですね。外資の場合はIRCという投資ライセンスを取得しなければならなくて、こっちが2~3ヶ月かかってしまうんです。
その後のERC(企業登録証明証)というのはベトナム企業も外資も取得が必要で、外資でも通常は1週間、遅くても1ヶ月かからないかと思います。ベトナム企業なら1週間くらいですね。このスピーディーさが魅力で、ベトナム法人を選ぶ方が多いです。
こんな飲食店オーナーさんは嫌だ、があれば。。。
ライセンスとかって、サインとか色々とやってもらうことが多いので、常に連絡つく人が理想的ですね。結局返信遅い方って、支払いなども遅いんじゃないかって警戒しちゃいますしね。。。
今後の展開
ミャンマーにも支店を出したいのですが、ベトナムで立ち上げたときと同じようなパートナー作りができるのかが大きな課題かもしれません。
これから進出する方に一言
飲食店を経営しているわけではないので、お客さん目線として言わせてもらうと、飲食店の選択肢は無数にありますから、そんなに簡単なことではないと思います。「あなたの店を選ぶ理由」がないとお客さんは選ばないと思います。既存店でいいお店いっぱいありますから、そこに何かしらで上回らないと厳しいのではないでしょうか。大手チェーンでもターゲットであるローカル使用に味など変えてるくらいですから、日本で成功しているからといって、同じものを提供してもウケないと思います。
個人的に増えてほしいお店は、一人で入れる定食屋ですね。一人で入りやすいお店の大半がラーメン屋さんで、定食屋はまだ少ないので、私のように自炊しない、毎日誰かと食べるのはしんどい、という人向けの選択肢を増やしてほしいですね(笑)
【企業データ】
BLACK SHADOW CO.,LTD
ベトナムへの進出支援、進出後の運営支援
代表者 田渕 智(Satoru Tabuchi(Mr.))
email : [email protected]
HP: https://www.black-shadowllc.com/
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2020/02/18)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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