写真:2017年牛繁ベトナム3号店オープニングセレモニーにて
Japan food culture Pte. Ltd.は、2013年「フランチャイズ比較ネット」を運営する株式会社ベーシックの社内ベンチャーとして設立、海外飲食事業としてシンガポールにてうどんの「たも屋」の経営や、海外進出支援業務として、日本の数多くのブランドの、ベトナム、フィリピン、インドネシア、台湾などアジア諸国への進出を実現してきた。
今回は、代表の古閑昭彦氏に、ASEAN諸国からみたベトナムマーケットの魅力や、ベトナム進出での注意点などをお話し頂いた。
Japan food culture 代表取締役 古閑昭彦氏
■御社の事業についてお聞かせください。
2013年、シンガポールにて法人設立と同じくして、香川のうどんブランド「たも屋」をフランチャイジーとして出店し、その成功を皮切りに店舗展開、そして同ブランドの加盟店開拓を近隣のアジア諸国へ展開、日本ブランドのニーズが強まる中、ラーメン、焼肉など、第二、第三のブランドも展開もお手伝いして参りました。
日本ブランドを展開したいアジア諸国の事業者へは、ブランドの紹介やプロモーションなども含めた出店の支援、自社ブランドを海外へ持っていきたい日本企業様へは、海外の出店希望者斡旋や出店までの契約書作成からブランド輸出に伴う機材や食材などの商流の構築等様々なご支援を行っております。
ベトナムでは、たも屋、牛繁ブランドの出店支援の他、現在もベトナム、日本双方での引き合いもあり、ニーズに応えるべく奔走中です。
■会社立ち上げの経緯は
株式会社ベーシックには2008年の初めにジョインしました。
ベーシックではフランチャイズ展開をされている企業と、フランチャイズ事業に関心のある企業を結ぶ、「フランチャイズ比較ネット」という事業に関わるわけですが、意外にも海外から出店の問い合わせが多かったんです。
そこでこれは一度視察に行ってみようとシンガポールに行ったのですが、日本の飲食の勢いを目の当たりにすることになり、これは自分達で飲食をやってみようとなったんです。
そこからは早かったですね、「うどん屋がないな」って思ったのです、淘汰されて無かったのかもしれませんが、我々は単純に無いと考えた。
やるなら本物をということで、香川のうどん屋「たも屋」の海外FCの契約、法人設立から開店まであっという間の3ヶ月でしたね。
シンガポールでは出店も順調で、次々お店を出すことができたので、これは他の国もイケるぞと、他の国は我々が出店するのではなく、フランチャイジーを募ることにしました。
台湾、インドネシア、ベトナムでの出店を進めていく中、他にも魅力的な日本のブランドが無いのかという声を頂いたり、国内からも、ブランドを輸出したいという声もあり、現在の弊社のカタチに近づいていきました。
焼肉など、第二、第三のブランド展開も手伝いして参りました。
現在Japan food cultureは、IT企業であるベーシックの子会社から独立した企業として運営をしております。
2019年11月シンガポールの讃岐うどん「たも屋」にて
■ベトナムでの出店支援の経緯を教えてください
「Sushi Hokkaido Sachi」などを経営するタカヒロフードをご紹介頂いたのがはじめのきっかけです。
彼らは、高島屋のレストラン街での出店権利を持っており、そこで何か面白い日本ブランドを出せないか模索をしていました。
そこで「たも屋」を提案させて頂き、フードゾーンに出店をさせて頂きました。
その後、イオン2号店にも出店をさせて頂きました。
続けて焼肉も出したいという話になり、ベトナムにカジュアルな業態がなかった、
タカヒロフードの代表が来日時に牛繁の社長を紹介、その場で意気投合、すぐにはじめようとなって、契約書をすぐまとめ合意。
牛繁は現在、5店舗ほど、相当順調に経営されています。
■他国と比べてベトナムの魅力を教えてください
誰もが言うところでもありますが、まずは人口の多さです。それでありながら、進出がまだまだ少ないという実感があります。
例えば人気のラーメンも、台湾やタイは過密状態。でもベトナムはまだまだです。
また、他の国は必ずと言っていいほど、裕福な中華系の方々をターゲットとして意識して戦略を考えますが、ベトナムは中華系人口が多くはないため、ベトナム人向けの商売として価格設定、バリュー感を考えていく必要があります。
出店戦略も特徴があって、ベトナムは圧倒的にモールが少ない。
例えばインドネシアなんかは、モール、大手デベロッパーとの繋がりで出店していくのが一般的なんです。
東南アジアでもモールの家賃は高いので、ベトナムでロードサイドの良い条件の物件を見つけることができれば、家賃比率を考えるとビジネスとして面白い。
その分探すのは労力が必要ですけどね。
ベトナム人は真面目な人が多く、教育もしやすさも感じましたね。
採用も他国と比べるとしやすいイメージがありますね。
■他国と比べてベトナムで大変だと思ったことを教えてください
輸入がとても難しいです。
うどんの製麺機をベトナムに持っていくのがとても大変でした。
書類提出がメインですが、麺機の機械の成分を出せとか嫌がらせかと思うくらいで数ヶ月かかりました。
インドネシアも共通で、輸出を推奨して輸入したくない国、ハードルが高いイメージ、
コモディティ、(小麦粉、醤油)など、自国にあるものは輸入するのが大変な感じはしています。
■海外成功の共通点はありますか。
我々は、日本ブランドを、海外のパートナーを結びつけるという観点で、双方での共通をお話すると、
まず輸出ブランドにとっての成功の共通点は、
再現難易度が低く、精度の高いビジネスである必要があります。
同じ味を出すのが大変だったり、オペレーションが簡単でも、少しのズレで大きく変わってしまうようだと難しいです。
一方でそれに矛盾しますが、現地に寄り添うアレンジが可能であること。
そのままの味をと考えがちですが、現地に合わせてのアレンジは必須です。
また、飽きられないよう新メニューの開発も現地でできると尚良しです。
アジアはインスタなどSNS効果が日本以上に大きいため、プロモーションの自由度も成功の重要な要素です。
成功する現地パートナーの共通点は、事業意欲があり、ブランドはその為のコンテンツで本部をうまく活用しようという意識があります。
逆にそうでない企業は、「本部は何をやってくれるの?」という本部依存度が強い。
前者は「こういうのやっていい?」という姿勢なので、大きく違ってきます。
資本力は幾らあれど、成功とは全く比例しません。
但し、ロケーションはやっぱり大事で力を持った企業の利点もあることは確かです。
■今後どんなブランドが海外で成功しそうですか
実際私達がそのブランドを海外に営業マンとして販売をするわけですから、日本でうまくいってないようなブランドはなかなか輸出が難しいです。
売りやすいのは、カテゴリが認知されていること。
ハンバーガー、ピザ、寿司、天ぷら、ラーメンは海外でもビックワード。
ビッグワードな分、競争も激しいのですが、それでも商機はつかみやすいと感じています。
一方で、例えば、蕎麦、居酒屋はスモールワールドなので難しい。
そういうジャンルは啓蒙が必要なのに、競争も激しかったりします。
客単価1000円以上はハレの日の食事。
ハレに応えられるもののブランドであるかも鍵です。
わかりやすいのが食材です、ベトナム人にとって鶏はポピュラーです。
そこに唐揚げ屋ができたとして、1000円以上払って食べようと思いません。
そういう意味で行くならチキンよりビーフが良いです。
たも屋でも、牛肉うどんはよくでるんですよ。
ベトナムは鍋が当たると思いますけどね。
鍋とビーフ。ジャカルタでも大流行しているチェーンがありますね。
■今後の御社の展望をお聞かせください。
マカオ、ニューヨーク、マニラ、ジャカルタ、ホーチミン、シンガポール他、海外のフランチャイズの展示会に出店してきましたが、本当に日本ブランドは人気がありブースに人だかりができます。それくらいやっぱりジャパンブランドは注目されています。
そして多くの日本ブランドからもお声がけ頂いています。
私達は社名のとおり日本の食文化を広めていくことが目標です。
ベトナムでブランドを広める際も、契約関連から、マーケティング支援まで様々なご相談にのっていますので是非ご連絡をください。
Japan Food Culture Pte Ltd.
Address:Singapore Office: 137 Telok Ayer Street #05-07, Singapore 068602
Tokyo Office: 17-6 Ichiban-cho, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan 102-0082
Telephone:(+81) 03-6869-5994 (Japan)
URL:http://japanfoodculture.com/
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2019/12/11)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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