写真 KAMEREO CEO 田中 卓(たなか たく)氏
慶應大学卒業後、クレディスイス証券に入社し日系および外資系の機関投資家向け法人株式営業に従事するも、大好きな飲食の道を選び証券会社を退社、25歳の時にベトナムのPizza 4P’sでレストラン業務を経験した後、取締役COOとして、オフィス部門のマネージメントやハノイ事務所及び店舗の立上げに携わる。その後、Pizza 4P’sを退社し、飲食店向けBtoB仕入れプラットフォーム事業『KAMEREO』を立ち上げた。
来越の経緯と創業に至ったきっかけについて
1度きりの人生なので、ぐんぐん成長している国の飲食店で働いてみたいなと思っていました。新興国の飲食店を調査する中でベトナムのPizza 4P’sが一番面白そうだと思い、入社したい旨を直接メールで送りました。レストランでの勤務後、COOとしてハノイ店舗立ち上げなどに携わり、食材の受発注の非効率さや不透明性さに問題があることに注目しました。日本のインフォマート(日本ではほとんどの大手飲食チェーンが利用している)と同じような仕組みがベトナムでも必要だと感じたんです。
なぜこのシステムを立ち上げたのですか。
前職時代に食材の発注及び管理が非常に非効率だと感じたからです。ベトナムの飲食店さんは発注に関してベトナム人のスタッフに頼み、電話やメール・zalo(LINEに相当)など様々な方法で実施しているのが現状です。さらに、マネージャーやオーナーがスタッフに発注をしてもらう際の個数や種類が間違って伝わっていたり、スタッフが余った食材を持って帰るためにわざと過剰発注してしまったりと把握が難しいのです。また、サプライヤー側も取引先ごとにオーダー方法が違うと管理が大変です。私は、Pizza 4P’sでレストランとしてもチーズのサプライヤーとしても仕事をさせて頂いたので、両者の苦労が分かっていました。そこで、食材の受発注をシステム化すれば、ワンクリックでオーダーを飛ばせて、マネージャーやオーナーが数量や金額をシステムを見れば簡単に確認できるのでは?と構想し、KAMEREOを立ち上げました。
御社のシステムについて
飲食業界のサプライヤーとバイヤーの購買プラットフォームです。飲食店様は、初期費用は無く、月額11,000,000vnd(約5,000円)の利用料にて、全てのサプライヤーへの発注の効率化はもちろん、新しいサプライヤーを探すこともできます。システム利用に際して、サプライヤーを変更する必要もありません。お店のスタッフにお願いしているオーナーや店長は、スタッフが実際何をどのくらい発注したかが把握できないことも多く、大量の在庫を抱えてしまうなんてこともあります。また、購買担当が仮に不正を行っていても気づくことが難しいです。逆に、サプライヤー側も商品によってサイズや規格が色々あったりするのに、発注の仕方が統一されていない為、わざわざ確認をしなければならなかったり、間違って納品をしてしまったりしています。KAMEREOは、受発注のプラットフォームを提供することで、手軽に発注ができて、マネージャーやオーナーも簡単に発注量や購買金額を確認することができます。サプライヤー側も、間違えること無く納品することができるのです。また、サプライヤー側には招待コードの発行機能を持たせており、取引中の飲食店に受発注システムを使ってもらうことができます。飲食店側は加入をすると全てのサプライヤー情報が見ることができ、新たな取引先を開拓することも可能です。日本人だけでなく他の外国の経営者様でも使用していただけるように、ベトナム語と英語に対応しています。
写真 Kamereo レストラン側のダッシュボード画面(サンプル)
食材の発送について
配送はサプライヤーが直接行っております。我々が配送にも進出しないのかというお声は頂きますが、ホーチミンでは朝と夕方にトラックの車両規制があるので、市内では店ごとにバイク便で届けてもらっています。そうなると1台に乗せられる商品数が限られてしまうため、色々なサプライヤーの商品を同時に運ぶことができません。将来的にトラックの車両規制が緩和されれば、我々が必要に応じてラストマイル配送をお手伝いできる可能性もあるとは思います。
サプライヤーに対するサービスとは
サプライヤー様は、お得意先ごとに商品価格や支払方法を設定できるようにしています。今、ベトナムのサプライヤーさんが抱える苦労というのは、レストランのオーダーが様々な方法で来ることです。店舗ごとに違う発注個数や内容で、どの店舗のものを言っているのか分からないということもよくあります。また、受けた注文をエクセル等に打ち直すのですが、入力ミスをしてしまうことも珍しくないため、大変効率が悪いのです。そこで、サプライヤー様に招待コードを発行し、その招待コードをレストラン側に送りKAMEREOのサイトにアクセスしてもらいます。レストラン側は招待コードをもらったサプライヤーの情報しか閲覧できないのですが、課金ユーザーとして加入する(月額1,000,000VND)ことによって全てのサプライヤーの情報を見ることができます。
サプライヤーはどのくらい入っているのか
サプライヤー様は200社以上が加入いただいており、肉や魚・野菜・輸入商品など種類はなんでも揃っています。今は毎日1社のペースでサプライヤー様が増えています。
今現在のご苦労なさっていることは
今まで誰もやっていないことをやるということの大変さがあります。我々は年商何十億といったサプライヤーさんに登録をお願いするわけですが、弊社はは知名度もまだまだですし、歴史も実績もあまりありません。そこに登録して頂くには、何度も足を運び、将来的にどのようなメリットを提供できるかを丁寧に説明するしかありません。サプライヤー様へのトレーニング等も含めて、会社によっては10回以上訪問して加入を決めて頂いたケースもあります。また、今までのアナログな受発注方法に慣れているが為に、システムは難しいという考え方をされる方もいらっしゃいます。飲食店経営者様やサプライヤー様に当社のシステムを快適に使用して頂くには、スタッフ様の教育がすごく大切で、今現在14人の社員の半分は開発チームですが、もう半分は「カスタマーサクセス」というチームに分けています。後者は、お客様にシステムの使用方法など、初歩的な所から何でも、足を運んで説明するチームです。慣れてしまえばスマートフォンやパソコンですぐに複数のサプライヤーにオーダーを飛ばせるので、長期的に考えるとこちらの方が楽だと実感していただけます。
今後の展望は
まずは、ベトナムにおいて飲食業界の受発注プラットフォームとして一定の規模に成長させることにフォーカスしたいと考えています。その上で、プラットフォームとして、ペイメントやレンディングなどフィンテック関連事業も将来的には検討しています。また、自社メディアを立ち上げ準備中でして、飲食店様とサプライヤー様の裏側を取材するような飲食店様が見て楽しめるような情報をオンラインで発信していきます。
次に目指している国は
地理的にもベトナムから近く、親日で、マーケットが比較的大きいいう点でタイに注目しています。しかし、まずはベトナムでお客様に便利だと言ってもらえるプロダクトを作ることが最重要です。この1年はベトナムのホーチミンにフォーカスし、お客様のフィードバックを基に日々システムを改善していき、ある程度完成に近づいた段階で海外展開やベトナム新のたなサービスを拡大させていくかを決断したいと思っています。
shop information
企業名 | KAMEREO LLP |
---|---|
電話番号 | +84 83 9443 000 |
住所 | 135 Hai Ba Trung, District 01, HCMC |
ホームページ | https://www.kamereo.vn/ |
※上記に掲載されている情報は、掲載日(2019/05/08)現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、各店舗へお問い合わせください。
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